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ハラル(ハラール)という言葉を最近耳にする人も多くなってきたのではないしょうか。
イスラム法上で許された食べ物のことを差す言葉ですが、現在日本の観光産業、ひいては食文化に大きな潮流となっているキーワードでもあります。
複雑な食物禁忌を持つイスラームだけに、日本の一般的な飲食店におけるハラルへの対応は遅れてきたと言わざるを得ません。

そんな中、2011年から和食のハラル料理を提供し、2013年にはローカルハラルレストラン認証を公式に取得したというお店「花咲かじいさん」が、渋谷桜ヶ丘にあります。

ローカルハラルレストラン認証とは


「花咲かじいさん」のドアには、こんな紙が貼られています。
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これがローカルハラルレストラン認証を受けていることを示すサインとなります。
世界的に最も通用度の高いマレーシアのハラル認証基準をベースに、日本の現状に合わせてローカライズしたものだそうです。
証明書は、入り口階段を降りたところにあります。
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ローカルハラル|MHC株式会社
弊社のローカルハラル規格は、マレーシアとインドネシアのハラル認証を管理する資格を持ったイスラム教徒によって、非イスラム国である日本の商業環境を考慮し、実現可能なレベルでのハラル基準を提案したものです。本規格では、製造や調理の過程で起こるハラルとノンハラルの混合を防ぐ仕組みが確立されています。また、イスラム教徒にとって最大の禁忌である豚については、科学的な分析を必要に応じて組み合わせ、当該製品やメニューに含まれていないことを調査します。弊社は、ローカルハラル製品または飲食店の利用者に対して、本規格のハラル性を保証し、その説明責任を負います。 ローカルハラル規格は、日本国内および、海外の商品見本市で出品する際に有効です。

ハラル認証は認証団体がいくつかあるのですが、基本となる考え方に変わりはありません。

その認証を受けた「花咲かじいさん」は、月に100人以上のムスリムに「ハラル和食」を提供しています。
今回はその「ハラル和食」をいただいてきました。

客の声を聞き、改良が続く「ハラル和食」


私が食べたのは「ハラル御膳」。
海外からの旅行者が思い浮かべる、代表的な日本食が盛りだくさんです。
目玉となるのは「牛のしゃぶしゃぶ」。
もちろんハラルの規格にのっとって肥育されたものですので、ムスリムの方でも安心して食べられます。

まずは、
刺身(マグロ・タイ)
季節の天ぷら
海老とホタテのマリネ
焼き物(魚の一味焼き・辛口卵焼き)
の御膳です。
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魚介のマリネは客に要望によって生まれたんだそうです。
コレに限っては和食というかは、アジアンな雰囲気を感じる味でした。
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刺身で注目すべきは、お醤油。
なんと、青唐辛子のみじん切りが入っています。ナンプラーに青唐辛子はタイ料理の定番ですが、そこからの着想でしょうか。
ワサビと唐辛子では意味合いが違うのでしょうか、刺身に合わないどころか逆に新しい味を発見した気持ちです。
特に脂の乗った刺身には相性が良い気がします。
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天ぷらにつけるものは、塩と一味唐辛子。
辛いですが、美味い。
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かなり濃口の玉子焼きと、鯖の一味焼き。
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裏を見ると確かに、一味がたっぷり。
北海道の一部ではサンマの刺身に一味をつけて食べるそうですが、青身魚と一味は相性が良いですね。
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ここまでで気づくことは、全てが辛めの味付けがされているということ。
大将にお話を聞いたところ、当初は一般的な和食の味付けで出していたがインドネシアやマレーシアなどからのお客様からすると味が薄すぎたんだそう。
イスラム圏といっても味付けは様々なのですが、旅行客の中でも特にお店への訪問割合が多い上記の国々の味つけを意識したとか。
食物禁忌の問題はクリアしても、当然ながら味覚をクリアしなければ食べてはもらえないということですね。

メインディッシュはしゃぶしゃぶですが、こちらも当然ハラルです。
ハラル宮崎ハーブ牛をつかっており、とても美味しいお肉でした。
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ダシに唐辛子とニンニクをいれ、ごまだれには唐辛子。
アジアンとはいかずとも和食の懐の深さを感じる、新しいしゃぶしゃぶでした。
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さてこのハラル御膳。
ハラルでありながら、味付けも東南アジアのイスラム圏を意識したものになっており、お店がこれまでの経験から培ってきたものであることが良くわかります。
必ずしも日本の万人に受けるとは思いませんし、そもそもが海外からの旅行客向けですが、辛いものが得意な人なら満足いくくものではないでしょうか。

そう遠くない将来、イスラームが世界一の巨大宗教になるでしょうし、日本でもムスリムは増えていくことでしょう。
そうなってくると、ハラルが食べられるお店がないことはもはや不幸以外の何物でもありません。
様々な宗教を包括した複雑極まる多宗教国家である日本、そして他に類を見ない多様な食文化を持つ日本において、ハラルの認証は簡単な問題ではないでしょう。
これからの対応は大きなコストを要するものでもありますしね。

しかし、2020年の東京オリンピックの際には世界中からムスリムが訪れるでしょうし、その際に食べるものがないというのは辛いことです。
観光を産業の柱とする日本という国家として考えても、今後はハラルが食べられるお店がたくさん増えるといいですね、

現在、「花咲かじいさん」は以下のようなプロジェクトをクラウドファウンディングによって進行中です。
2020年までに和食の国際化を!“ハラル和食”をもっと日本に広めたい! - FAAVO東京23区

多くの観光客が訪れる渋谷におけるリーディングレストランとして、ぐいぐい引っ張って欲しいと思います!



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